パーティー報告&参加者の声

ファッション

2021/05/12

テーラードジャケットの着こなしが、お見合い形式の1対1婚活に及ぼす影響

■変わりゆくテーラードジャケットの定義

コロナ禍による新しい婚活様式がもたらした影響は、婚活シーンにおけるファッションにまで及んでいます。これまでテーラードジャケットといえば、オフィスに行けるようなカッチリした洋服をイメージする方が多いのではないでしょうか。

 

ところが自宅時間が増えた今、必ずしもテーラードジャケットがカッチリしたもののみならず、リラクシーなシルエットや素材のものがショップで増えています。テーラードジャケットの定義自体が、これまでに比べ広がっているということ。とはいえ、実際婚活パーティーでドレス感が求められます。

 

そもそもパーティーに参加する際、なぜドレスコードというようなルールがあるのでしょうか。婚活パーティーで女性から好印象なファッションについてフォーカスしましょう。カップルになりやすい男性の共通点から、婚活ファッションを紐解きます。『38歳からのビジネスコーデ図鑑 真似するだけで印象が劇的によくなる(日本実業出版社)』著者がお伝えします。

 

 

■どこまでテーラードジャケットと言えるか!?

コロナの影響から素材感のみならず、型紙もカジュアルなジャケットが増えています。その様は、もはやジャケットというよりカーディガンというようなデザインまで存在します。写真のようなセットアップジャケットも「ドロップショルダー」といって、肩の位置をあえて落とした印象です。

 

英国式のテーラードから見れば、違和感しかありません。ただデートで着る分には「今っぽくてステキ!」という評価を女性から得ることでしょう。とはいえシャツインして着るには、カジュアルすぎます。このジャケットに合わせられるインナーはかなり絞られるからです。

 

襟がついたシャツより、カットソーのような着こなし。つまりテーラードといっても、場所を選ぶ着こなしに陥ります。たとえ流行感度が高かったとても、必ずしもそれを示すことが正解とは言えません。

 

ではハイステイタスな春夏の婚活パーティーでは、どんなジャケットがカップル率を高めるのでしょうか。「『どこ』に行き、『誰』と会うか」といったTPO(時間・場所・機会)が大切。「今っぽい恰好より、ドレス感を重視されることがカップル率を高める正解だ」と私は考えます。というのも、服は、「0秒で伝わるコミュニケーション手段」だからです。

 

 

■婚活ファッションに求められるのは「価値観の整合性」

ドレスコードがある婚活パーティーで大事な事は、「おしゃれのアピール」より「価値観の整合性」です。女性はおしゃれな男性を求めている訳ではなく、ライフスタイルや価値観の整合性がとれる人に惹かれます。人気の女性はおしゃれに気を配るため、結果としておしゃれな人を求めているように見えているだけです。

 

つまりファッショナブルなのではなく、「ドレスアップしてきた女性に対して、男性の恰好も場に合っているか?」という価値観の近似性がキーになります。「目は口ほどに物を言う」ということわざもありますが、「『服装』は口ほどに物を言う」のです。そして男性の身なりから、お相手のバックグラウンドや価値観を一目で見抜ける女性が多いようです。

 

婚活や街コンで重視されるファッションポイントは「身だしなみ以上、おしゃれ未満の印象コミュニケーション」と言えるでしょう。そして会場の上質な雰囲気に合わせるテーラードジャケットの着こなしに「襟がついたシャツ」は欠かせません。

 

 

■襟つきシャツが合うテーラードの着こなし

ついテーラードジャケット単体に目が行きがちですが、やはり全身の雰囲気が印象を大きく左右します。これからの季節、セーターの重ね着もできないため、特に襟シャツの「生地感」と「襟型」が、印象に影響を及ぼすことでしょう。

 

シャツインしたテーラードジャケットの着こなしは、シャツのパリッと感もさることながら、特に首元のヨレていないことが重要です。そもそもネクタイの有無で最適なシャツ襟は変わります。

 

ノーネクタイと言えば、ボタンダウン型を連想する方もいらっしゃいますが、ハイステイタスの男性に相応しいシャツは「ワンピースカラー」と呼ばれるもの。通称イタリアンカラーとも呼ばれ、イタリア人が愛する襟型です。

 

「裏前立て」と呼ばれる襟裏の生地が、一般的なワイシャツより広めに取ってあります。その結果、襟の立ちがとてもきれいに見えるのです。同じような白シャツであっても「ある人はかっこよく見え、ある人は残念に見える」というケースがあります。それは襟型が関係していたのです。

 

 

■ドレスコードからはみ出る「ベルトの幅」

どんなにテーラードジャケットの着こなしが洗練して見えていたとしてもベルトがカジュアルでは悪目立ちします。「ベルトと靴の色を合わせる」という着こなしルールは有名ですが、「ベルトの幅を見落としている」婚活男性をよく見掛けます。

 

作業着などのワークテイストのベルトは太めですが、オフィスカジュアルをはじめたとしたドレスライクのベルトは細めです。テーラードジャケットに最適なベルト基準を私は、2.8~3センチ程度の幅と認識しています。

 

3.5センチはちょっと太い印象ですし、4センチは完全にカジュアルベルトです。たとえ靴とベルトの色が合っていたとしても、これではジャケットを着ていたとしても、醸し出るはずの清潔感が出ません。姿見に移った自分の全身に感じた違和感は、ベルトの幅が原因ということもありえますので注意が必要です。

 

 

■クラス感がるテーラードジャケットの選び方

婚活用のテーラードジャケットを選ぶとき、ありがちな盲点が仕事着のスーツ姿と代り映えしないというケース。華やかなパーティーはビジネスというよりドレスという分類です。フォーマルほど堅くはないし、ビジネスほど無機質でもありません。

 

華やかなドレスに最適なジャケットは、色のみならず生地感も重要です。このとき、季節にかかわらずリネン(麻)が10%程度ブレンドされている素材をピックアップ。たったこれだけの工夫で、いつものジャケットがググっと高級感あふれます。

 

ジャケットの基本素材は、春夏もウールです。サマーウールと呼ばれ、秋冬に比べ全体の重量は少な目に織ってあります。ここに麻が10%程度ブレンドするだけで、生地に表情が生まれます。同じように見える紺ジャケットでも、印象に差がつく理由です。

 

 

■著者プロフィール

森井良行(もりい・よしゆき)

ユニクロさえもカッコよく着こなす!がコンプセプトのファッションスタイリスト。

弊社代表の友人でもあり、30代40代のためのパーソナルスタイリスト「エレカジ」代表。

 

<エレカジ公式サイト>

http://www.elegant-casual.com/