ファッション
2022/10/29
第二印象で関係性が激変する!秋デート服を超考察
デート展開が変わる「第二印象」の正体
「印象」という単語から、真っ先に連想する関連ワードは「第一印象」ですが、意外に見落としがちな第二印象をご存じでしょうか。ドレスコードある大人のパーティーで出会った女性とデートするとき、あなたはどんな格好で、初デートに向かっていますか。
「ギャップを生かしたカジュアルな服装でしょうか」、それとも「カッチリしたきれいめコーデでしょうか」。
どちらも戦略的にNGということはありませんが、それぞれ異なる留意点があることはあまり知られていないようです。そこで今回、これからの季節に活躍する秋デート服のポイントについて、『38歳からのビジネスコーデ図鑑 真似するだけで印象が劇的によくなる(日本実業出版社)』著者がお伝えします。
秋デート服の王道きれいめ戦略
「おしゃれは足元から」という言葉どおり、靴の印象は全身に影響を及ぼすわけですが、
服における「キメ」と「ヌケ」のバランスも欠かせません。
スーツにネクタイを締めるような「恰好がピシッと決まった」状態をキメと言いますが、キメすぎは本人のみならず、周りを緊張させてしまいます。一方ヌケは、決まった恰好を着崩すことで、こなれた雰囲気に見せることを言います。
たとえばジャケットスタイルにスニーカーを合わせるような着こなしは、ヌケを狙った着こなしなのです。ただヌケが過ぎることで、だらしなく見えることも事実。そこで秋デート服の王道は、ジャケットなどキメをつくりながらも、クルーネックセーターやカットソーでヌケをつくるのです。
キメとヌケのバランスで、きれいめコーデの上半身が完成します。ではパンツについては、この時期どんなものが良いのでしょうか。
秋冬の季節感を演出するデートパンツ
「その色使いステキですね」。こんな風に初デートで言われることを想像してみてください。冬にダークカラーが増えることは致し方ないと思われがちですが、ワンポイント明るい色を挿しこむだけで、女性のリアクションは劇的に変わります。
というのも「暗い色が増える冬こそ、明るい恰好をしたい」と考えている女性が多く、目が行きやすい状況だからです。男性のみならず女性のコーディネート依頼を受ける私のもとには、女性の本音が集まりますが、なかでも「色に関する女性の意識」、その高さは想像以上です。
クリスマス、忘年会、初詣、バレンタインなど、冬はイベントが盛りだくさんですが、ここで紹介する秋冬の季節感のデートパンツは、そんなイベント時に取り入れてほしい「冬の白パン」です。「冬の季節感」と「白パン」、一見矛盾するようなこの組み合わせを可能にする工夫があります。
白パンといっても、厳密にはオフホワイトなので、クリームシチューを連想するような温かみある色。また同時にコーデュロイ生地なので温かみある素材感が相まって、コートやダウンジャケットに馴染みやすいのです。とは言っても、白パン自体に抵抗がある男性は、どのように工夫すれば良いのでしょうか。
冬の白パンを簡単コーデする工夫
冬の白パンが好印象だとしても、「明るい色の合わせ方が分からない」という悩みを男性からよく伺います。意外にも、その解決策はシンプルなもの。季節を問わず、男性の場合、上下半身のコントラストをハッキリつけるだけです。
たとえば冬の白パンに、紺ジャケットと好きな色のセーターを合わせれば、「温もり」と「爽やか」の両立が可能です。このときスエード系ローファーや革靴を合わせるだけで、好印象が完成します。また白パン自体は、汚れることも考慮して、洗濯機で洗えるウォッシャブルのリーズナブルなものを選びましょう。
また冬の白パンに抵抗感をお持ちの方は、その他パーツで明るい色を取り入れることも可能です。冬に明るい色を取り入れるコツは「生地感」を考慮すること。パンツならばコーデュロイ、セーターならばカシミヤ、コートならばウールなど、温かみを感じさせるものを選びましょう。以上が初デートできれいめファッションを着こなしていくコツでした。
カジュアルなデート服は「質感」にこだわろう
加齢で増えるシワや減り続ける毛量を考えれば、普段着同然のカジュアルな恰好でデートする訳にはいかないでしょう。とはいえジャケットのようなカッチリした格好に、抵抗感をお持ちの方もいらっしゃるのでは。
実際のところ、ここ数年、身だしなみの基準自体がカジュアル方向にシフトしていることは周知のとおりですよね。そこでここではカジュアルな恰好を選ぶコツをお伝えします。最近のカジュアル服は、上半身のボリュームが多いのです。
それこそジャストサイズに慣れ親しんだん方にとっては違和感を覚えるはず。とはいえ大きければ、どんな質感のものでも良い訳ではありません。張りがある生地感にこだわりましょう。上半身がパンプアップして見えるため、オーバーサイズであってもだらしなく見えないからです。
たとえば、カジュアルの定番であるパーカー(フーディー)も、フードがくたっとしない張りのある素材を選ぶことで、デート服として活躍するでしょう。この秋、紅葉を見に行くような行楽地デートにピッタリですよね。
カジュアル成功のカギは、配色が9割
「モード」という言葉をご存じでしょうか。時代とともに厳密なスタイルは変わります。ただ共通するポイントは、「生活感がない非日常の雰囲気」ということです。たとえば、冠婚葬祭の略礼服は黒色ですよね。
80年代にコム・デ・ギャルソンやヨージ・ヤマモトが脚光を浴びるまで、「黒は非日常の色」と言われていました。その後、ここ30年くらいかけて、定番色のひとつとして認知されてきたという歴史があるのです。
カジュアルなデザインを大人っぽく見せるカギは、非日常の配色を実践すること。つまり、黒をはじめとした無彩色、もしくは紺・アイボリー・カーキ・ベージュのような準無彩色を活かしましょう。つまり、「彩度(彩り)が低いアイテムを中心にコーデを組み立てる」ということ。
ジャケットなどのきれいめコーデとは違い、カジュアルなデザインのものは、人によって大学生のように子どもっぽく見えるケースが生じます。
この問題を簡単に解決するコツは、黒いパンツを軸にカジュアルコーデを組み立てること。この秋、きれいめコーデもしくはカジュアルコーデで初デートを楽しみましょう。ポイントは、スタイル毎に組み合わせの工夫が異なるということでした。
■著者プロフィール
森井良行(もりい・よしゆき)
ユニクロさえもカッコよく着こなす!がコンプセプトのファッションスタイリスト。
弊社代表の友人でもあり、30代40代のためのパーソナルスタイリスト「エレカジ」代表。
<エレカジ公式サイト>