ファッション
2024/10/24
気温差のある秋デートのメンズファッション
アウターを脱いでも、ステキな着こなしとは?
気温差のある秋デートの場合、アウターを脱ぐことを想定する必要があります。ジャケットやブルゾンなどのアウターを脱いだときにもステキに見える着こなしを紹介。
アウターの有無で、服装の正解も変わります。たとえばドライブデートのような場合、シートベルトがあるため、ジャケット着用したままではシワだらけになってしまうもの。一方、都会のレストランに行くのにカジュアルなブルゾンでは場違いに見えてしまうかもしれませんよね。
紅葉の季節でもある秋は、行楽地デートも増えるため、電車移動のみならず車移動の可能性も否めません。そこで今回は、気温差のある秋デートに最適なファッションの正解を、『男の服選びがわかる本』(池田書店)の著者が解説します。
ドライブデートに最適なデート服
シートベルトの邪魔にならない服といえば、この時期、プルオーバースエットシャツがおすすめ。いわゆる肉厚なものであれば、シートベルトの締め付けがあっても、シワシワになることはないからです。
そして肉厚だからこそ、上着を羽織らずとも「よそ行き」になるのです。これはロングスリーブTシャツにはない生地感。そんな大人カジュアルの定番アイテムも、「スエットシャツの生地感」や「全身の色数」次第では、学生っぽく見えるものです。
無地のものからレタードと呼ばれるプリントものまで、デザインに幅があるスエットシャツ。なかでもアメリカの有名大学名がプリントされたカレッジスエットは、ここ数年のトレンドも相まって、あらためて注目されています。ところが、古着のイメージが強いスエットシャツだからこそ、張りのない生地では「家着っぽさ」が強調されてしまうのです。
これではだらしなく見えかねませんよね。もちろん無地のものが合わせやすいのですが、無地だからOKではなく、ストレッチが利いた肉厚なスエットシャツを選びましょう。
全身の色数を3色以内に絞ろう
スエットシャツといえば、アメカジの定番ともいえるジーンズ合わせを連想される方も多いのではないでしょうか。この手のコーディネートは、「整髪や髭をファッションとして捉えている」古着屋店主のようにファッションの世界観をお持ちの方にはハマりますが、普通の大人にとっては、単純にカジュアルすぎるのです。
そこでスエットシャツ初心者におすすめしたい系統は、アメカジ路線ではなく、アスレジャー路線。これは2010年代中盤以降にニューヨークで起きたムーブメントで、色数を絞った「都会的なスポーツカジュアル」の着こなし。
アスレチック(運動)とレジャー(余暇)の造語で、色数を絞ったコーディネートとして、全身を3色以内に絞ってみてください。カジュアル味も抑えられ、大人カジュアルの雰囲気に仕上がるでしょう。
都会的レストランデート!秋の休日ジャケット着こなし
プルオーバースエットのようなカジュアルアイテムに比べ、ジャケットは「大人ほど似合う」ともいえる一着。そしてジャケットといえば「襟つきシャツを合わせよう」とする方も多いのですが、その着こなしこそ、実はだらしなく見える原因です。
というのもスーツジャケットやワイシャツに比べ、「生地感」や「つくり」がカジュアルに寄っているため、カジュアルジャケットとシャツの着こなしは、「単にスーツの着こなしを劣化させたように見えかねない」のです。
そこで襟シャツ「以外の選択肢」を持ちましょう。ジャケットを休日に着こなす正解は、ズバリ「スーツを想起させない」着こなし。つまり襟がないインナーを合わせることが、最も簡単な抜け道です。
暑さ残る今時期ならば、TシャツやロングスリーブTシャツでもOK。ただこれらのインナーは、季節感としても、よそ行きには見えませんのでジャケットを脱ぐことはできません。もしジャケットを脱ぐことを想定するならば、モックネックニットがおすすめ。ウールではなく、コットン生地ならば、暑がりの方でも問題ないはず。
令和のジャケットは、パンツも大事!
モックネックニットを選ぶとき、大事なポイントは、「首型」と「生地感」を混同させないこと。まず首型については、クルーネックとVネックにくわえ、モックネックの存在をお忘れなく。モックネックは、クルーネックとタートルネックの中間くらいに位置する首型のインナーで、ジャケットの襟裏に皮脂がつかないようガードしてくれる首型のもの。次に生地感は、ハイゲージと呼ばれる細い糸で編んだものを選びましょう。ざっくりした生地感のニットでは、モコモコしてしまうため、ジャケットのインナーとしてはかさばるから。
そしてカジュアルジャケットに合わせるパンツとして、同じく定番であるジーンズやチノパンを連想する方も多いかもしれません。ですが時代によって、定番も変わってしまうため、この組み合わせが時代遅れに見えるのです。
ここ数年、休日の定番パンツは「着心地」と「きちんと感」を両立したイージースラックスと言われています。はき心地はジャージーながらも、見た目はスラックスに見えるというパンツです。
「ジャケット=大人」という印象ですが、合わせ方次第では、野暮ったく見えてしまいます。それを回避するためには、定番だからという選び方ではなく、時代に合わせた選択肢を用意すること。これからもファッション情報をアップグレードしていくことをお忘れなく。いつの日か、あなたにお目にかかることを楽しみにしております。
■著者プロフィール
森井良行(もりい・よしゆき)
ユニクロさえもカッコよく着こなす!がコンプセプトのファッションスタイリスト。
弊社代表の友人でもあり、30代40代のためのパーソナルスタイリスト「エレカジ」代表。
<エレカジ公式サイト>