ファッション
2025/04/26
「ジャストシルエットVSオーバーサイズ」年齢で変わる?GWデート服の最適解
行楽地デートはワイドパンツか?リアルな話
「彼のピタッとしたパンツ姿が、あまり好きではないので、今っぽく仕上げてほしい」という相談を、交際中カップルの女性から受けました(ご本人の承諾を得て、記載しております)。
私は、衝撃を受けたのです。これまで5,000人以上の買い物に同行してきましたが、婚活や出会いの場におけるデート服は「清潔感が大事!」。だからこそジャストフィットが正解というセオリーとは、あまりに異なる依頼だったから。一過性と思われていたオーバーサイズのトレンドが定番化した今、まさに最適なシルエットが変わりつつあります。とはいえ誰もがワイドフィットOKという訳ではありません。
ゴールデンウィークのような長期休暇が近づいているからこそ、今回は、婚活デートシーンにおける「清潔感の新常識」について、『男の服選びがわかる本』(池田書店)の著者が解説します。
だらしなく見えない!ワイドパンツ着こなしの基本
ワイドパンツ未経験者が誤解している事。それは正しい「履きこなし方」です。というのも履き位置を間違えたワイドパンツの印象は、「ただサイズが合っていない」ダボついた雰囲気に見えてしまうのです。丈感の重要性について話題になるワイドパンツですが、実はウエストの履き位置も、大きく影響していました。
まず前提として、ワイドパンツの丈感は、たしかに重要です。とくに年齢が上がるほど、靴に覆いかぶさった弛んだパンツ生地が、だらしなく見えてしまいます。ダボッとしたうえに余計なシワ感は、40代を超えた大人の場合、こなれて見えません。
そのためパンツ丈は、靴とパンツがギリギリ触れる程度、私はこれを「キス・タッチ」と呼んでいます。この丈感を軸にコーディネートを進めますが、そもそも「履き位置」によっては、股下からの距離が短く見えるため、シンプルに足が短く見えるため、これでは誰が履いても野暮ったく見えるものです。
これまでジャストシルエットのピタッとしたパンツに慣れ親しんでいた人ほど、この履き位置ルールを知りません。最適な履き位置の目安は、おへそより3センチ程度上を目安にしてください。この履き位置に違和感を覚える男性も多いでしょうが、ワイドパンツをスラッと見せるために必須事項と言えます。
つまり、ジャストシルエットのパンツとワイドパンツの最大の違いは、「パンツ生地を吊るすように履きこなす」という事。この感覚は、ジャストシルエットのパンツにはないものです。「素肌とパンツ生地がフィットして張り付く」ジャストシルエットとは別物の履きこなしを理解したうえで、コーディネートを検討しましょう。
ワイドパンツ初心者におすすめ!白ワイドデニム
この春、ワイドパンツをデート服としてコーディネートに取り入れるならば、白デニムがおすすめ。これはユニクロに並ぶ「ワイドストレートジーンズ(ライトブルー)」でOKです。ライトブルーという表示ですが、ほぼ白に近い爽やか色。しかもデニムのゴワツキがあることで、パンツを吊るして着用したとき、フォルムが崩れにくくキレイに見えます。
このときトップスの位置も大事。短丈に見えるようトップスを内側に折って着用したいのですが、肩から地面までの距離が2:3になる比率で、トップスを着こなしましょう。この工夫によって、ウエスト位置が高く見えるため、ワイドパンツであっても、スタイルがキレイに見えるのです。ちなみに、この手の着こなしは、カッコいい女性のワイドパンツコーディネートから来ています。スッキリ見えるのでおすすめ。
また合わせる靴も重要です。基本的にはボリュームの黒革靴を推奨しています。大人になるほど、ワイドパンツとスニーカーの合わせは、学生っぽく見えがち。この印象を避けるべく黒のボリューム革靴。いわゆるタンクソールやシャークソールと呼ばれるもので、ソールにデザイン性があるものが相性抜群です。
そしてソックスはベリーショート系で抜け感を出す合わせ方が簡単ですが、濃色カラフルソックスでアクセントをつける着こなしもステキになるでしょう。ここまでワイドパンツ初心者向けの春コーディネートをお伝えしてきましたが、ジャストシルエットがNGという訳ではありません。
ジャストシルエットならば、生地感にこだわろう
ジャストシルエットを選ぶ場合、パンツの生地感にこだわりましょう。これまで休日ジャストシルエットのパンツといえば、デニムやチノが主流でしたよね。ところが、この手の質感は、ピタッとしたシルエットと掛け合わせたとき、古い印象に陥るもの。
今の時代、ジャストシルエットのパンツといえば、ストレッチが効いたイージースラックスが定番化しています。洗濯機で洗っても色落ち感がないこの手の質感ならば、ジャストシルエットであっても、違和感を覚えません。これにジャケットや定番のドレススニーカーを合わせるだけでコーディネートは仕上がります。このとき気を付けたいポイントは、スニーカーのドレス感です。
ランニングのようなスポーティーなものは、ジャケット合わせするにはカジュアル過ぎるリスクがあります。もちろんフーディーやブルゾンなど、カジュアル合わせならば問題ありませんが、ドレス感あるものならば、上半身のコーディネートを選びません。
イージースラックスといえば、黒・紺・グレーというカラーバリエーションが主流ですので、それに合わせ、黒もしくは白スニーカーで合わせましょう。つまりジャストシルエットの場合、下半身の色数を絞ることで、都会的な印象に仕上げてみてください。
■著者プロフィール
森井良行(もりい・よしゆき)
ユニクロさえもカッコよく着こなす!がコンプセプトのファッションスタイリスト。
弊社代表の友人でもあり、30代40代のためのパーソナルスタイリスト「エレカジ」代表。
<エレカジ公式サイト>